近年、企業活動においてデジタル化・リモートワーク化が加速し、社員が利用するアプリケーションや端末には多様な機能が搭載されています。その中で「画面キャプチャ機能」は、利便性と同時に大きなセキュリティリスクを孕んでいます。
画面キャプチャは本来、業務記録やマニュアル作成、エラーレポートの共有などに役立つ一方、機密情報や個人情報の不正流出に悪用される危険性が高く、企業にとっては重大な課題となっています。
本記事では、画面キャプチャ機能の制御がなぜ必要なのか、その背景と具体的な問題事例を紹介し、最終的に「キャプチャ禁止の必要性」について考察します。
画面キャプチャによって簡単にスクリーン上の情報を保存・共有できるため、社外秘資料、研究開発データ、契約情報などが意図せず流出する恐れがあります。
例えば社内チャットに送信された資料をキャプチャし、個人端末に保存した後にSNSや外部チャットに転送する、といったケースは実際に発生しています。
顧客データや社員の個人情報を含む画面をキャプチャされると、個人情報保護法やGDPR違反となり、企業は法的責任を問われる可能性があります。
マルウェアの中には「キーロガー」だけでなく「スクリーンキャプチャ機能」を持つものも存在し、利用者の操作画面を定期的に画像として攻撃者へ送信する事例があります。
これにより、二要素認証画面や暗号鍵入力画面が盗み取られる危険性もあります。
あるグローバルIT企業では、リモート勤務中の社員が自社の開発コードを含む画面をキャプチャし、私的なSNSに誤ってアップロード。結果として競合他社に内部構造が知られてしまい、訴訟問題に発展しました。
銀行のコールセンター業務において、顧客の口座情報画面がキャプチャされ、外部へ流出。流出元の社員は「教育目的で利用した」と主張しましたが、意図せぬ拡散により多額の賠償責任が発生しました。
一部の従業員が不満を理由に、社内の売上データ画面をキャプチャし外部へ持ち出した事例も報告されています。キャプチャはUSBなど物理的媒体を経由しなくても情報を容易に外部に流出させられるため、監視が難しい点が問題です。
画面キャプチャ制御ソフトの導入
特定アプリケーションやシステムに対してキャプチャ機能を禁止・制御するDLP(Data Loss Prevention)製品が有効です。
VDI(仮想デスクトップ)環境での制御
端末側でキャプチャ操作をしても実際の仮想デスクトップには影響しない仕組みを導入することで情報流出を防止できます。
ログ監視
キャプチャ機能利用のログを残し、不審な操作があれば即座に検知する仕組みが求められます。
利用規定の明確化
「業務上やむを得ない場合のみ管理者の承認を得て画面キャプチャを利用可能」といったルールを定めることが必要です。
従業員教育
セキュリティ研修を通じて、「なぜキャプチャが危険なのか」「漏洩時にどのような責任が発生するのか」を具体的に教育します。
EXOセキュリティでは、画面キャプチャや画面録画を禁止する制御機能が提供されており、機密情報が「視覚的に盗まれる」ことを防止します。
さらに、アプリケーション単位での制御やリモートワーク環境での利用も可能であり、既存の業務環境に無理なく導入できる点が大きなメリットです。
画面キャプチャは便利である一方、機密情報流出の大きなリスクとなります。特に金融・医療・製造業など、情報の価値が高い業種では「一枚のキャプチャ画像」が企業存続に影響を与えることすらあります。
したがって、**「キャプチャ機能を原則禁止」**とし、必要な場合のみ限定的に許可するという方針が現実的です。
技術的制御と組織的教育を組み合わせ、さらにEXOセキュリティのような専門ソリューションを導入することで、情報漏洩リスクを最小限に抑えることが可能です。
結論として、企業は 「画面キャプチャができないようにする」 ことを基本方針とし、それを前提にセキュリティガバナンスを構築することが不可欠です。