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  • 2022.03.23. エンドポイントセキュリティとは?重要な理由から代表的な種類まで

    近年のリモートワーク推進により、自宅などの外部から社内ネットワークへと接続する機会が増加しました。企業のネットワークセキュリティ対策においても、デバイスをサイバー攻撃から保護する「エンドポイントセキュリティ」が重要性を増しています。

    エンドポイントセキュリティを導入するときは、既存のセキュリティ対策や業務体制を鑑みて、適切な製品を選ぶことが重要です。

    当記事ではエンドポイントセキュリティとは何かから、重要視されている理由と代表的な種類までを徹底解説します。

     

    1.エンドポイントセキュリティとは?

    エンドポイントセキュリティとは、エンドポイントとなる機器に施すセキュリティ対策のことです。

    そもそもエンドポイントとは「終端」「末端」を意味し、IT用語では「ネットワークに接続する終端の機器」を指します。分かりやすい例を挙げると、下記のような機器がエンドポイントです。

    エンドポイントの例

    • パソコン
    • スマートフォン
    • サーバー

    エンドポイント自体やエンドポイントに保存されているデータをサイバー攻撃から守ることが、エンドポイントセキュリティの目的です。

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    1-1.エンドポイントセキュリティが重要視されている理由

    ITインフラにおけるセキュリティとして、エンドポイントセキュリティが重要視されている理由は3つあります。

    ・エンドポイントはマルウェアが動作を開始する場所であるため

    サイバー攻撃を行うマルウェアはエンドポイントに侵入して、データへの攻撃や外部への感染拡大などを行います。エンドポイントはマルウェアが動作を開始する場所であり、ログなどからマルウェアの情報を取得・分析することが可能です。

    ・セキュリティ対策を施すことでマルウェア対策がしやすいため

    マルウェアがそもそもエンドポイントに侵入できなかったり、エンドポイント上で攻撃を行えなかったりすれば、マルウェアによる被害は発生しません。エンドポイントセキュリティは、マルウェア被害を未然に防ぐ方法と言えます。

    ・接続するネットワーク環境に依存しないため

    エンドポイントセキュリティにより、ゲートウェイセキュリティのみでは防ぎきれなかった攻撃からエンドポイントを保護することが可能です。近年はリモートワーク導入の流れが加速しており、ゲートウェイのセキュリティレベルに依存しないマルウェア対策の重要性が増しています。

    エンドポイントセキュリティは、リモートワークが普及する現代において、ネットワーク環境に関係なくマルウェアを防ぐ手立てとなるため、ますます重要性を増すでしょう。

     

    1-2.ゲートウェイセキュリティとの違い

    ゲートウェイセキュリティとは、内部ネットワークとインターネットの境界であるゲートウェイに施すセキュリティ対策のことです。

    エンドポイントセキュリティとゲートウェイセキュリティには、下記の違いがあります。

    エンドポイントセキュリティ ゲートウェイセキュリティ
    目的 エンドポイントとエンドポイント内のデータを守る 内部ネットワークへのマルウェアの侵入を防ぐ
    監視する対象 エンドポイント上のデータやソフトウェア ゲートウェイを通るファイルや通信
    セキュリティの主な方法
    • マルウェアの検知
    • スパムメール対策
    • 侵入したマルウェアへの対応
    • 保護すべきデータの暗号化
    • ファイアーウォールの設置
    • IDS(不正侵入検知システム)の導入
    • IPS(不正侵入防御システム)の導入

     

    2.エンドポイントセキュリティの種類

    エンドポイントセキュリティにはいくつかのセキュリティ手法が存在します。エンドポイントセキュリティソフトを選ぶときは、どのような手法が採用されているかを確認することがおすすめです。

    以下ではエンドポイントセキュリティを種類ごとに分けて、それぞれの特徴や強みを紹介します。

     

    2-1.EDR(マルウェア被害防止)

    EDRは、エンドポイントの監視を行うことでマルウェア被害を防止する手法です。EDRは、「Endpoint Detection and Response」の略称となっています。

    マルウェアがエンドポイントに侵入すると、EDRがマルウェアの検知・除去などの対処を自動で行います。マルウェアが侵入した場合を想定して、実行されるサイバー攻撃に対してすみやかな対処を実現できる点がEDRの強みです。

    EDRはサイバー攻撃の詳細を明らかにできるため、被害状況の把握や原因の調査など、事後の対処時にも役立ちます。マルウェアによる攻撃を受けたときの対処や、事後のプロセスに課題がある人におすすめの手法です。

     

    2-2.EPP(マルウェア感染防止)

    EPPは、エンドポイントがマルウェアに感染しないよう保護する手法です。EPPは「Endpoint Protection Platform」の略称で、一般的に利用されている「AV(アンチウイルス)ソフトウェア」も、EPPの1種です。

    EPPは、パターンマッチング技術を使用してマルウェアを検知し、エンドポイントへの侵入を未然に防ぎます。パターンマッチング技術とは、マルウェア情報を登録したデータベースを参照し、検査対象のファイルと比較し検出するシステムのことです。EPPはデータベースに登録された既知のマルウェアを確実に防げる強みがあります。

    ただし、サイバー攻撃では、データベースに登録されていない未知のマルウェアが使用される可能性もあります。EPPは既知のマルウェアに強い検知方法ではあるものの、すべてのマルウェアを防げるわけではありません。

     

    2-3.NGEPP・NGAV(マルウェア検出)

    NGEPP・NGAVは、「振る舞い検知」を行い、マルウェアを検知する手法です。

    NGEPPは「Next Generation Endpoint Protection Platform」の略称で、次世代のEPPを意味します。NGAVは「Next Generation Antivirus」の略称で、同様に次世代のAVを意味します。

    NGEPP・NGAVの特徴は、振る舞い検知技術によって未知のマルウェアも検知できる点です。マルウェアが実行されると、無関係なWebサイトへのアクセスやアプリケーションの起動など、不審な動作を行います。振る舞い検知はマルウェア特有の不審な動作で判断できるため、データベースに登録がない未知のマルウェアであっても検知し、すみやかな対処が可能です。

     

    2-4.DLP(エンドポイント監視・制御)

    DLPは、内部ネットワーク上に存在するデータやエンドポイントを常に監視し、機密情報や個人情報の漏えいを防止する手法です。DLPは「Data Loss Prevention」の略称となっています。

    DLPの特徴は、エンドポイントなどで実行された不審な動作を検知し、動作を制御することで脅威に対応できる点です。DLPはマルウェアなどのサイバー攻撃以外に、USBメモリやCD・DVDといったリムーバブルメディアの挙動についても監視・制御ができます。

    社内でデータの持ち出し方法としてリムーバブルメディアを利用している場合は、リムーバブルメディアの挙動を監視・制御ができるDLPの導入がおすすめです。

     

    2-5.複数機能が複合したもの

    ここまでで紹介した複数機能を複合し、エンドポイントへのサイバー攻撃に対処する手法です。既知・未知のマルウェアを未然に防ぐ機能や、万が一感染した場合の対処、外部への情報漏えい対策などにより、エンドポイントのセキュリティ性を高められます。

    サイバー攻撃の手口は年々高度化しており、セキュリティソフトを欺く暗号化や被害を広げる手法も進化し続けている状況です。セキュリティリスクに備えるためにも、エンドポイントセキュリティはどれか1つに特化する手法ではなく、総合的なセキュリティ体制構築が求められます。

    サイバー攻撃に強い業務環境を構築するためには、複数機能を複合したエンドポイントセキュリティ製品がおすすめです。

     

    まとめ

    エンドポイントセキュリティとは、内部ネットワークに接続する機器に施すセキュリティ対策のことです。近年増加しているマルウェア被害を防ぐために、エンドポイントセキュリティが重要視されています。

    エンドポイントセキュリティにはさまざまな手法が存在します。手法ごとにマルウェア検知の方法や感染時の対応が異なるため、自社に必要な手法を選択しましょう。

    リモートワークにおける安全な業務環境を構築したい人は、EDR・EPPに加えて端末管理にも強みがある「EXO Security」をぜひご利用ください。